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Oリングの耐薬品性は?高機能Oリング製品もご紹介

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Oリングの耐薬品性は?高機能Oリング製品もご紹介

Oリングは、流体や気体を扱う機器において欠かすことのできないシール部品です。
装置内部の圧力や流体を確実に保持する役割を担っており、
使用環境に適したOリングを選定できるかどうかが、設備の安定稼働や品質に影響します。

なかでも、薬品と接触する環境では「耐薬品性」が重要な検討項目となります。
耐薬品性が不足している場合、Oリングの膨潤や硬化、亀裂といった劣化が進行し、
結果として液漏れや装置トラブルにつながる可能性があります。

本記事では、Oリングの耐薬品性についての考え方を整理し、材質の特徴を解説します。



 

  

1、Oリングとはどのような部品か

Oリングは、断面が円形の環状形状をしたシール部品で、
溝に組み込むことで流体や気体の漏れを防止します。

構造が非常にシンプルである一方、取り付けが容易で、
かつ高いシール性能を発揮できることから、多くの分野で使用されています。

油圧・空圧機器、ポンプ、バルブ、化学装置、
半導体製造装置など、その用途は多岐にわたります。

Oリングの材質には、天然ゴムや合成ゴム、フッ素系ゴムなどさまざまな種類があり、
使用条件に応じて選定されます。

温度、圧力、摺動の有無と並んで、接触する薬品への耐性は重要な判断要素です。



2、Oリングにおいて耐薬品性が重要な理由


Oリングが薬品と接触する環境では、材質と薬品の相性が直接的にシール性能へ影響します。
耐薬品性が十分でない場合、ゴム材料が薬品を吸収して膨潤したり、
内部成分が溶出して硬化したりすることがあります。


こうした変化は、Oリングの寸法や弾性を変化させ、
設計時に想定していたシール性能を維持できなくなる原因となります。

また、耐薬品性の問題は短期間では顕在化しないことも多く、
長期間の使用によって徐々に劣化が進行する点も注意が必要です。

そのため、初期性能だけでなく、長期的な安定性を考慮した材質選定が求められます。


 

3、Oリングに影響を与える主な薬品の種類

 

Oリングが接触する薬品にはさまざまな種類があります。
代表的なものとして、鉱物油や作動油、燃料、水や蒸気、
酸、アルカリ、有機溶剤、洗浄液などが挙げられます。

これらの薬品は、それぞれゴムに対する影響の仕方が異なります。
たとえば、油類に強い材質であっても、酸やアルカリに対しては劣化が進行する場合があります。

さらに、薬品の濃度や温度、接触時間によっても影響の度合いは変わります。
同じ薬品であっても、常温と高温ではOリングへの影響が大きく異なるため、
使用条件を総合的に整理することが重要です。



4、耐薬品性評価で確認される代表的な劣化現象

 

耐薬品性を評価する際には、いくつかの代表的な劣化現象が確認されます。
ひとつは膨潤で、ゴムが薬品を吸収することで体積が増加します。
膨潤が進むと、溝からのはみ出しやシール不良につながることがあります。

また、硬化や軟化も代表的な変化です。
硬化すると弾性が失われ、シール面への追従性が低下します。
逆に過度に軟化した場合も、耐圧性が低下する原因となります。

長期間の使用では、亀裂や溶解といった不可逆的な劣化が発生することもあり、
耐薬品性はOリング寿命を左右する重要な要素といえます。

 

 

 

5、一般的なOリング材質と耐薬品性の傾向

 

一般的に使用されるOリング材質には、NBR、EPDM、フッ素ゴムなどがあります。
NBRは油類への耐性に優れていますが、酸やアルカリ、特定の溶剤には注意が必要です。

EPDMは水や蒸気、アルカリ環境で使用されることが多い一方、油類には適していません。
シリコンゴムは耐熱性に優れますが、耐薬品性の面では用途が限定される場合があります。

このように、汎用材質は一定範囲の用途に適していますが、
幅広い薬品や過酷な条件に対応するには限界があります。






 

 

6、フッ素系ゴムOリングの耐薬品性の位置づけ

 

フッ素系ゴムOリングは、耐薬品性が優れた材料として、多くの分野で使用されています。
油類や溶剤、各種薬品に対して比較的安定した性能を示し、
化学装置や産業機械で採用されるケースが多く見られます。


ただし、フッ素系ゴムにも複数の種類があり、すべてが同じ耐薬品性を持つわけではありません。
使用環境によっては、さらに高い性能を持つ高機能材質が必要となります。

 

 

7、高機能Oリングシリーズのご紹介 

 

過酷な薬品環境での用途に対応するための高機能Oリングとして、
複数のシリーズが展開されています。
代表的なものとして以下が挙げられます。

  • パーフロ系列(FFKM系高機能ゴム材質)

  • アフラス系列(FEPM系耐薬品ゴム材質)

  • カルレッツ(Kalrez®)系列(パーフロロエラストマー素材)

これらは、一般的なフッ素ゴムを超える耐薬品性や耐熱性を有するよう設計されています。
用途が高度になるほど高い性能が求められ、
材質選定は薬品の種類・温度域・圧力・運動条件などを総合的に検討する必要があります。


パーフロ系列
は、FFKM(パーフルオロエラストマー)と呼ばれるゴム素材で、
一般のゴム材質よりも極めて優れた耐薬品性と耐熱性を有しています。
このシリーズは過酷な薬品環境や高温条件下で使用され、
酸・アルカリ・有機溶剤など広範な薬品に対して高い安定性を示します。


アフラス系列
はFEPM(フッ素エチレンプロピレン)をベースにした高耐薬品性材質で、
パーフロ系ほどの耐熱性や耐薬品性レベルではありませんが、
価格とのバランスに優れ、幅広い一般化学薬品環境に対応します。
FEPMは極性溶剤や一般的な酸・アルカリに対して良好な耐性を示し、
コストパフォーマンスの高い選択肢として用いられます。


カルレッツ(Kalrez®)シリーズ
は、
米国デュポン社が開発したパーフロロエラストマー素材に基づく高機能Oリングです。
Kalrez®はテフロン®(PTFE)に似たフッ素化構造を持ち、
従来のフッ素ゴムを上回る耐薬品性と耐熱性を兼ね備えています。
多くの薬品に対して高い耐性を示し、酸・アルカリ・有機溶剤・燃料など、
幅広い化学薬品と温度条件で安定したシール性能を発揮します。

 



8、過酷な薬品環境でOリングに求められる考え方

 

過酷な薬品環境では、単に耐薬品性が高いという理由だけで材質を選定するのではなく、
温度条件や使用期間、交換頻度などを含めて総合的に検討することが重要です。

高機能材質は優れた性能を持つ一方で、必要以上のスペックとなる場合もあります。
用途に適した性能レベルを見極めることが、合理的な選定につながります。




9、Oリングの耐薬品性に関するよくある誤解

 

Oリング選定において、「フッ素ゴムであればすべて安心」「耐薬品性が高ければ万能」、
といった誤解が見られることがあります。

しかし、実際には薬品との相性や使用条件によって結果は大きく異なります。

耐薬品性は材質単体の性能ではなく、
使用環境との組み合わせで評価すべき要素である点を理解することが重要です。

 
 

10、まとめ

 

Oリングの耐薬品性は、装置の信頼性や安全性を左右する重要な要素です。
汎用材質で対応できるケースもあれば、
パーフロシリーズのような、高機能Oリングが必要となる場合もあります。

使用する薬品や温度条件、求められる寿命を整理したうえで、
適切な材質を選定することが重要です。

木成ゴム株式会社では、ゴム材料の特性や使用環境に関する一般的なご相談を承っております。
使用条件やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
用途に応じた材料選定の参考情報をご提供いたします。



●木成ゴム株式会社は、2026年2月19日(木)・20日(金)に大阪産業創造館で開催される、
「高機能プラスチック・ゴム展2026」に出展いたします。

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