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木成ゴム株式会社|樹脂、ゴム、金属、その他あらゆる材質を最適加工

シリコンゴムとは?特徴や使用例を詳しく解説

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シリコンゴムとは?特徴や使用例を詳しく解説

近年、製造業や建設業、電気・電子分野など幅広い業界で活用されている「シリコンゴム」。
耐熱性・耐寒性・耐候性に優れるこの素材は、
一般的なゴム材料では対応が難しい環境下でも安定して使用できるため高く評価されています。

本記事では、シリコンゴムの特徴や用途、シリコンゴムシート・押出品の活用方法を中心に、
導入メリットや選び方のポイントまで詳しく解説します。




  

1、シリコンゴムとは?


シリコンゴムは、シリコン樹脂を基材とした合成ゴムの一種です。
炭素ではなくケイ素(シリコン)と酸素を主骨格に持つ分子構造を持つため、
耐熱性・耐候性・絶縁性に優れています。

一般的な有機ゴムよりも高い耐久性を誇り、
自動車・電気電子・食品・医療・建築など多岐にわたる産業で利用されています。


2、シリコンゴムの主な特徴

  • 耐熱性・耐寒性:-60℃〜+250℃の広い温度範囲で使用可能

  • 耐候性・耐紫外線性:屋外での長期使用に強い

  • 電気特性:優れた絶縁性と高周波特性

  • 化学的安定性:薬品に強く、劣化しにくい

  • 安全性:食品や医療分野でも利用可能



3、シリコンゴムの代表的な使用例


  • 自動車業界:エンジン周辺のホース、パッキン、シール材

  • 電気・電子業界:絶縁シート、ケーブル被覆、コネクタ部品

  • 医療・食品分野:医療用チューブ、食品機械のガスケット

  • 建築・住宅分野:シーリング材、防水材、サッシ用ガスケット

 

4、シリコンゴムシートについて


シリコンゴムをシート状に加工した製品で、厚みや硬度のカスタマイズが可能です。

用途例

  • 高温設備のパッキン・ガスケット

  • 電気機器の絶縁シート・緩衝材

  • 食品加工機器のスペーサー



5、シリコンゴム押出品について


口金から連続的に押し出す加工法により製造される製品で、
チューブ、ホース、角材、異形断面品などが存在します。

用途例

  • 自動車用ホース(冷却水・エアライン)

  • 電線被覆材(絶縁カバー)

  • 建築用パッキン(ドア枠やサッシ用)

 

6、シリコンゴム導入のメリット

 

1. 設備の信頼性向上

過酷な温度や紫外線環境でも長寿命化が可能。メンテナンス頻度を削減可能。

2. 品質保証・規格適合

FDAやRoHS、UL規格などに適合可能なグレードが多く、輸出機器や医療・食品用途にも対応。

3. コスト削減効果

耐久性の高さにより交換頻度が少なく、長期的にコスト削減に貢献。

4. 設計自由度

シートや押出品など多様な加工方法があり、特注サイズ・異形断面対応も可能。
製品設計に柔軟性を持たせられます。

 

7、ゴム硬度の基礎知識

 

シリコンゴム製品を選定する際に欠かせない指標の一つが「硬度」です。
硬度はゴムの柔らかさや固さを示すもので、パッキンやシートの性能に大きく影響します。

JIS規格に基づく硬度測定

日本では JIS K 6253 に準拠し、ゴムの硬度を測定します。
一般的に使用されるのは JIS A硬度 と呼ばれる基準です。

  • 単位は「度(Hs)」で表記される

  • 0に近いほど柔らかく、100に近いほど硬い

シリコンゴムは 30~80程度の硬度範囲 で流通しており、
柔らかいグレードから硬めの工業用まで幅広く選択可能です。

特に実務でよく使われるのは 50°前後の柔らかめグレード と、
外観がグレー寄りになることが多い 70°前後の標準的な硬度 です。
これらはパッキン、シート、チューブなど幅広い製品で採用されています。

デュロメータ(硬度計)

硬度測定には デュロメータ と呼ばれる専用の測定器を使用します。
針(インデント)がゴム表面に押し付けられ、その沈み込み量から硬度が算出されます。

  • デュロメータA型:一般的なゴム(シール材、パッキン)に使用

  • デュロメータD型:硬めのプラスチックや硬質ゴムに使用

ショア硬度との関係

ゴムの硬度は「ショア硬度」と呼ばれることもあります。
これはデュロメータによる測定法の一つであり、ショアA硬度 = JIS A硬度にほぼ相当します。

例)

  • ショアA硬度 40 → 柔らかめ(医療用チューブ、緩衝材向き)

  • ショアA硬度 50 → 標準的な柔らかさ(食品用パッキンなどで多用)

  • ショアA硬度 70 → 汎用性が高く、工業用パッキンやシートに多い

  • ショアA硬度 80 → 硬め(耐摩耗部品や支持材に使用)

シリコンゴムにおける硬度選定のポイント

シリコンゴムは硬度バリエーションが広く、医療・食品分野向けの柔らかいチューブから、
産業用の硬めシートやガスケットまで対応できます。

特に 50°と70°は需要が高い代表的な硬度 であり、
密封性や操作性のバランスが良いため、幅広い産業で用いられています。

適切な硬度を選ぶことで、製品の 密封性・耐久性・操作性 を最適化することが可能です。



8、シリコンゴム製品の選び方チェックリスト


シリコンゴムを導入する際は、以下を確認することが重要です。

  • ✅ 使用環境の温度範囲(高温・低温条件)

  • ✅ 接触する物質(食品、薬液、油、薬品など)

  • ✅ 必要な機械的強度(硬度・引張強さ・圧縮永久ひずみ)

  • ✅ 製品形状(シート、押出品、成形品など)

  • ✅ 規格適合の有無(FDA、RoHS、ULなど)

  • ✅ 必要な数量(試作、小ロット、大量生産対応)

これらを事前に整理することで、最適な材料選定とスムーズな調達が可能になります。

 

9、まとめ


シリコンゴムは、耐熱性・耐候性・電気特性に優れ、幅広い業界で活用される高機能素材です。

とりわけゴムシートや押出品が設備や製品の信頼性を支える重要な部材となっています。

導入メリットを最大化するためには、使用環境・必要性能・規格適合を事前に明確にし、
信頼できるサプライヤーから調達することが不可欠です。

木成ゴム株式会社ではシリコンゴムの選定・加工方法についてご相談を承っております。
「最適なシリコンゴムシート・押出品を探している」
「特注サイズや異形断面の試作を検討している」

といったニーズがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
長年の実績とノウハウを基に、御社の課題解決に最適なご提案をいたします。



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