1. TOP
  2. メディア名
  3. お役立ち情報
  4. 66ナイロンとは?材質・特徴・使用例を解説

木成ゴム株式会社|樹脂、ゴム、金属、その他あらゆる材質を最適加工

66ナイロンとは?材質・特徴・使用例を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
66ナイロンとは?材質・特徴・使用例を解説

産業分野において広く使用されている樹脂の一つに、66ナイロンがあります。
高い強度・耐熱性・耐摩耗性を持ち、軽量かつ優れた耐久性を発揮するため、
自動車・産業機械・電気電子部品など、多岐にわたる分野で活躍しています。

特に、自動車分野では軽量化や燃費向上を支える重要な素材として注目されており、
金属代替や他の樹脂との使い分けの基準となることも多い樹脂です。

本記事では、66ナイロンの材質や特徴、長所と短所、加工方法、代表的な使用例、
さらには6ナイロンやMCナイロンとの違いまで詳しく解説します。

66ナイロンを導入する際の基礎知識として、ぜひ参考にしてください。






  

1、66ナイロンとは?

66ナイロンは、エンジニアリングプラスチックの代表格の一つで、
ナイロン系樹脂(ポリアミド樹脂)の中でも特に強度と耐熱性に優れた素材です。

化学的にはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重合して得られるポリアミドであり、
その分子構造により高い結晶性を示します。

その結果、機械的強度、剛性、耐熱性、耐摩耗性に優れ、
幅広い産業分野で金属代替素材として採用されています。

たとえば、自動車のエンジン回りの部品、ギア、電気・電子機器のコネクタ、
産業機械の摺動部品など、要求性能の高い用途で利用されています。

また、汎用ナイロン(6ナイロンなど)と比べて吸水性が低く、寸法安定性が高いことから、
精密部品や耐久性が求められる部品に適しています。



2、66ナイロンの材質

 

66ナイロンは結晶性熱可塑性樹脂であり、
ナイロン系の中でも特に分子鎖が規則的に配列しやすいため、強度と耐熱性に優れます。

  • 高結晶性:6ナイロンに比べて結晶化度が高く、耐熱性・剛性が高い

  • 吸水性の低さ:ナイロン特有の吸水による寸法変化が少ない

  • 標準色:自然色は乳白色ですが、着色やガラス繊維強化によるグレード展開が豊富

また、66ナイロンはガラス繊維や炭素繊維との相性もよく、強化グレードではさらに高い剛性と耐熱性を実現できます。



3、66ナイロンの主な特徴

 

66ナイロンの代表的な特徴をまとめると以下の通りです。

  • 高強度・高剛性:耐荷重部品や構造材に適用可能

  • 耐摩耗性:摺動部品やギアに最適

  • 耐熱性:連続使用温度120℃前後まで対応可能

  • 寸法安定性:吸水による寸法変化が少なく精度を保ちやすい

  • 耐薬品性:油類や燃料に安定、化学環境下での使用に適する

このように、バランスの取れた物性を持つため、設計自由度が高く、多様な分野で利用されています。

 

 

4、66ナイロンの長所

 

66ナイロンの長所は次の通りです。

  • 高い強度と耐久性:長期使用でも形状や性能を維持しやすい

  • 耐熱性の高さ:熱変形温度が高く、エンジン回りや高温環境で使用可能

  • 摩擦摩耗特性の良さ:自己潤滑性を持ち、潤滑油がなくても摩擦を軽減できる

  • 寸法安定性:吸水による膨張が6ナイロンより少なく、精度保持に優れる

  • 複合化が容易:ガラス繊維強化によってさらに高性能化が可能

 

 

5、66ナイロンの短所

 

一方で、66ナイロンにも弱点があります。

  • 吸水性はゼロではない:POMなどに比べると湿度環境で寸法変化がある

  • 耐候性の低さ:紫外線に弱く、屋外使用では劣化が進みやすい

  • 成形収縮の大きさ:精密寸法を要する場合には金型設計の工夫が必要

  • 酸・強アルカリに弱い:薬品環境では材質選定が必要

  • 接着性の低さ:接合には溶着や機械的固定が推奨される


 

6、66ナイロンの加工方法

 

66ナイロンは熱可塑性樹脂であり、幅広い加工方法に対応します。

  • 射出成形:最も一般的で、複雑形状や大量生産に適する

  • 押出成形:丸棒、板材、パイプなどを製造可能

  • 切削加工:金属加工機での精密部品製作に適する

  • ブロー成形:容器や中空体に利用可能

また、ガラス繊維強化材は射出成形で特に多用され、構造部品に広く利用されています。


 

7、66ナイロンの代表的な使用例

 

66ナイロンは、その特性を活かして以下のような分野で使用されています。

  • 自動車部品:エンジンカバー、インテークマニホールド、ラジエータ部品、ギア、ベアリング

  • 電気・電子部品:コネクター、スイッチ、リレーケース、絶縁部品

  • 産業機械:ギア、カム、ローラー、摺動部品

  • 家庭用品:ファスナー、工具ハンドル、スポーツ用品

  • 医療分野:耐久性を要する器具や精密部品

特に自動車業界での採用は非常に多く、金属代替素材として今後も需要が高まると考えられます。




8、66ナイロン・6ナイロン・MCナイロンの違い

 

ナイロン系樹脂の代表格である「66ナイロン」「6ナイロン」「MCナイロン」には、
それぞれ以下のような違いがあります。

  • 66ナイロン:高結晶性で耐熱性・強度・寸法安定性に優れる。精密部品や耐熱部品に適する。

  • 6ナイロン:成形性が良くコストも低め。柔軟性や耐衝撃性に優れるが、吸水性が高く寸法変化が起きやすい。

  • MCナイロン:大型部品や板材・丸棒として供給され、切削加工用途に強い。強度・耐摩耗性が高い。

用途やコスト、求められる性能に応じて、これらを適切に使い分けることが重要です。


 

9、66ナイロン製品の選び方チェックリスト

 

66ナイロンを採用する際には、以下の観点を確認すると適切な材料選定につながります。

  • 使用環境:温度、湿度、屋外使用の有無

  • 要求性能:強度、耐摩耗性、寸法精度のレベル

  • 加工方法:射出成形・切削加工などに対応可能か

  • コスト面:材料費だけでなく加工性や量産性を含めて評価

  • 代替候補との比較:6ナイロンやMCナイロンとの性能差を考慮


 

10、まとめ

 

66ナイロンは、強度・耐摩耗性・耐熱性・寸法安定性に優れたエンジニアリングプラスチックで、
自動車部品、産業機械、電子機器など幅広い分野で利用されています。

6ナイロンやMCナイロンと比べてもバランスの良い性能を持ち、精密部品や高温部品に適した素材です。


木成ゴム株式会社では、

「66ナイロンで部品を加工したい」
「最適なナイロン素材を比較検討したい」
「金属部品を樹脂に置き換えたい」
といったお客様のニーズに対応できる体制を整えております。

豊富な材料知識と加工実績をもとに、材料選定から試作・量産までトータルでサポートいたします。
まずはぜひお気軽にご相談ください。





  • このエントリーをはてなブックマークに追加