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ユニレートの耐薬品性は?他材質との違いも詳しく解説

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ユニレートの耐薬品性は?他材質との違いも詳しく解説

ユニレートは、ユニチカ株式会社が展開する高機能な板材料で、
ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料とし、
ガラス短繊維や無機フィラーなどを複合した材料です。

押出成形後の加熱積層プレスで製造されており、一般的な熱可塑性樹脂板と比較し、
高い剛性、耐熱性、電気絶縁性、寸法安定性などを備えています。

特に、電気・電子部品や産業機械、半導体関連設備などでは、
電気絶縁性と機械的強度を両立できる材料として使用されています。
また、吸水率が低く、ナイロンや熱硬化性樹脂積層板と比較して寸法変化が小さいことも特徴です。

一方で、ユニレートを薬品が接触する環境で使用する場合には、耐薬品性について注意が必要です。
ユニレートは酸や一部の有機溶剤に対して比較的良好な耐性を示す一方、
水酸化ナトリウム(NaOH)には弱いという明確な特徴があります。

本記事では、ユニレートの耐薬品性について、
酸・アルカリ・有機溶剤などの種類ごとに詳しく解説します。
さらに、POM、PBT、ガラエポ、PEEK、PTFE、などの他材料との違いについても紹介します。

 





 

  

1、ユニレートとは

ユニレートは、PET樹脂を主原料として、
ガラス短繊維やマイカなどの無機フィラーを充填・複合した板材料です。

製造工程では、これらを押し出し成形した後、加熱積層プレスによって板状に成形します。
一般的な熱可塑性樹脂板とは異なり、ガラス短繊維などを複合することで、
高い剛性や強度、寸法安定性を実現しています。

ユニレートには、標準グレードの「PC」をはじめ、
超厚グレードの「GC」、難燃グレードの「NC」、帯電防止グレードの「SC」、
導電グレードの「CV」、丸棒タイプの「PR」などがあります。

標準グレードのユニレートPCでは、代表値として、
引張強さが縦方向で110MPa、曲げ強さが縦方向で220MPa、吸水率が0.10%とされています。

特に、低吸水性と高剛性を両立していることがユニレートの大きな特徴です。



2、ユニレートの耐薬品性の特徴


ユニレートの耐薬品性は、全体として比較的良好ですが、
薬品の種類によって明確に得意・不得意があります。

ユニチカの資料では、標準グレードのユニレートPCについて、
弱酸に対しては「○」、強酸は「△」、
弱アルカリは「△」、水酸化ナトリウムは「×」、有機溶剤は「○」とされています。

つまり、ユニレートは「酸にもアルカリにも強い材料」と考えるよりも、
弱酸や一部の有機溶剤には比較的強い一方、
強アルカリ、特にNaOHには弱い材料
と理解することが重要です。

これはユニレートの主原料がPETであることと関係しています。

PETはポリエステル系樹脂であり、アルカリによって加水分解が進行する可能性があります。
そのため、水酸化ナトリウムなどの強アルカリ環境では注意が必要です。

一方、ガラス短繊維や無機フィラーによって材料全体の剛性や寸法安定性が高められているため、
一般的な樹脂板とは異なる機械的特性を持っています。

なお、ユニチカの耐薬品性データは代表的な評価であり、
すべての薬品・濃度・温度・接触時間を保証するものではありません。
実際の使用条件に応じて確認することが重要です。


 

3、ユニレートの酸に対する耐性

 

ユニレートは、弱酸に対して比較的良好な耐性を示します。

例えば、比較的濃度の低い酸性水溶液などでは使用できるケースがあります。

一方、強酸については「△」とされているため、使用条件によっては注意が必要です。

特に、硫酸、硝酸、塩酸などは濃度や温度によって樹脂への影響が大きく異なります。

例えば、希塩酸と高濃度の硫酸では、同じ「酸性薬品」であっても材料に与える影響は大きく異なります。

さらに、高温になるほど薬品による劣化が進行しやすくなる場合があります。

そのため、「酸に対して使用できるか」という判断では、
単純に酸性・アルカリ性という分類だけを見るのではなく、
具体的な薬品名、濃度、温度、接触時間を確認することが重要です。

また、ユニレートはPET樹脂をベースとした複合材料であるため、
樹脂部分とガラス短繊維・無機フィラー部分で薬品に対する挙動が異なる可能性があります。



4、ユニレートのアルカリに対する耐性

 

ユニレートを使用する際に、特に注意したいのがアルカリです。

ユニチカのデータでは、弱アルカリに対して「△」、
水酸化ナトリウム(NaOH)に対して「×」とされています。

つまり、ユニレートはアルカリ全般に強い材料ではありません。

特に水酸化ナトリウムを使用する環境では、基本的に注意が必要です。

水酸化ナトリウムは、洗浄液、脱脂液、化学処理液などに使用される代表的な強アルカリです。

そのため、例えば「薬品洗浄工程でNaOH水溶液が飛散する」
「NaOHを使用した洗浄装置の内部部品として使用する」といった用途では、
ユニレートを安易に選定しない方がよいでしょう。

また、弱アルカリについても「△」であるため、アルカリ性の薬液を使用する場合には、
具体的な薬品名と濃度を確認することが重要です。

ユニレートは、耐薬品性だけを最優先する材料ではなく、
低吸水性、高剛性、電気絶縁性、加工性などを含めた総合的な性能を活かす材料になります。

 

 

5、ユニレートの有機溶剤・油類・水に対する耐性

 

ユニレートは、有機溶剤に対して比較的良好な耐性を持っています。

ユニチカの資料では、標準グレードPCの耐有機溶剤性は「○」とされています。

ただし、有機溶剤といっても種類は非常に多く、
すべての溶剤に対して同じ耐性を持つわけではありません。

例えば、アセトン、MEK、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどは、
それぞれ樹脂に与える影響が異なります。

また、短時間の飛沫接触と長期間の浸漬では、材料への影響が大きく異なる場合があります。

そのため、有機溶剤を使用する環境では、具体的な薬品名と接触条件を確認することが重要です。

油類についても、機械油や潤滑油などが接触する用途で使用されるケースがあります。

また、ユニレートは吸水率が低いことも特徴です。
標準グレードPCの吸水率は0.10%とされており、
一般的なナイロン系材料と比較して吸水による寸法変化を抑えやすい材料です。

この低吸水性は、電気絶縁部品や精密な機械部品に使用する際の大きなメリットになります。






 

 

6、ユニレートと他の樹脂との耐薬品性の違い

 

ユニレートを他の樹脂と比較すると、単純な耐薬品性だけではなく、
剛性、吸水性、電気特性、耐熱性などを含めて考えることが重要です。


まず、POMとの比較です。

POMは、ギア、ローラー、軸受、ガイドなどの機械部品に広く使用されているエンプラです。

油類や燃料、アルカリなどに対して比較的良好な耐性を持っていますが、
強酸には弱いという特徴があります。

ユニレートはPOMと比較して吸水率が低く、寸法安定性に優れることが大きな特徴です。
ユニチカも、ナイロンやPOMなどの熱可塑性樹脂板と比較して、
耐熱性、電気特性、強度、寸法安定性に優れるとしています。

そのため、摺動性を重視するならPOM、
絶縁性や剛性、低吸水性を重視するならユニレートという使い分けが考えられます。


次にPBTとの比較です。

PBTはPETと同じポリエステル系の樹脂であり、
耐熱性、機械的強度、電気特性、耐薬品性のバランスに優れています。

ユニレートはPBT単体とは異なり、ガラス短繊維や無機フィラーを複合した板材料です。

そのため、ユニレートは高い剛性と寸法安定性を得やすく、
板材として使用して切削加工できることが特徴です。

一方、複雑な形状の量産成形品では、射出成形可能なPBTの方が適する場合があります。


ガラエポとの比較では、ユニレートは非常に興味深い位置付けになります。

ガラエポもガラス繊維と樹脂を組み合わせた複合材料であり、
高い剛性と電気絶縁性を持っています。

ただし、ガラエポはエポキシ樹脂をマトリックスとするのに対し、
ユニレートはPETを主原料としています。

ユニレートは、熱硬化性樹脂積層板と比較して、
吸水性、電気特性、加工性が改善されていることが特徴です。

そのため、低吸水性や切削加工性を重視する場合にはユニレートが有力な候補になります。

一方、使用する薬品によってはガラエポの方が適するケースもあります。

PEEKとの比較では、耐熱性・耐薬品性の面でPEEKが非常に優れています。

PEEKは高温環境や厳しい薬品環境で使用されるスーパーエンプラです。

強酸や有機溶剤などに対しても優れた耐性を持つグレードがあり、
耐薬品性を最優先する場合にはPEEKが有力です。

一方で、PEEKは非常に高価な材料です。

ユニレートはPEEKほどの耐薬品性・耐熱性を持つ材料ではありませんが、
電気絶縁性、低吸水性、高剛性、加工性などをバランスよく備えているため、
必要以上の高性能材料を使用したくない場合に有効です。

PTFEとの比較では、耐薬品性についてPTFEが大きく上回ります。

PTFEは強酸、強アルカリ、多くの有機溶剤に対して非常に高い耐性を持っています。

そのため、薬品への耐性を最優先する場合にはPTFEが有力です。

一方、PTFEは柔らかく、荷重によるクリープが発生しやすいという特徴があります。

ユニレートはPTFEほどの耐薬品性を持ちませんが、高い剛性を持っているため、
薬品環境で荷重を受ける絶縁部品などではユニレートが適する場合があります。

ナイロンとの比較では、ユニレートの低吸水性が大きなポイントになります。

ナイロンは機械的強度や耐摩耗性に優れていますが、
吸水によって寸法や物性が変化しやすい材料です。

ユニレートはPETを主原料とするため吸水率が低く、
さらにガラス短繊維や無機フィラーによって高い剛性を実現しています。

そのため、湿度変化が大きい環境や寸法安定性が求められる用途では、
ナイロンよりユニレートが適する場合があります。

このように、ユニレートは「耐薬品性だけなら最高クラス」という材料ではありません。

むしろ、低吸水性、高剛性、電気絶縁性、耐熱性、
寸法安定性、切削加工性などをバランスよく備えた板材料
であり、
これらを総合的に求める用途で大きなメリットを発揮します。



 

7、ユニレートの種類と代表的な用途 

 

ユニレートには、用途に応じた複数のグレードがあります。

標準グレードとして「ユニレートPC」があり、
電気絶縁部品や産業機械部品などに使用されます。

また、厚みが必要な用途では「GC」という超厚グレードがあります。
現在は90mmまでの厚みがラインアップされており、
低反り性、寸法安定性、高剛性などを特徴としています。

そのほか、難燃グレードのNC、帯電防止グレードのSC、導電グレードのCVなどもあります。

用途としては、トランス、コンデンサー開閉器、
各種絶縁板、電子部品、産業用ロボット部品、食品機械部品などが挙げられます。

特に、金属では電気を通してしまう一方、
一般的な樹脂では剛性や寸法安定性が不足するような用途でユニレートの特性が活かされます。

 



8、ユニレートを使用する際の注意点

 

ユニレートを薬品環境で使用する場合、最も注意したいのは水酸化ナトリウムです。

ユニチカの耐薬品性データではNaOHが「×」とされているため、
NaOH水溶液への長期間の接触などには適していません。

また、強酸についても「△」となっているため、濃度や温度によっては注意が必要です。

さらに、有機溶剤については全体として比較的良好な耐性を示しますが、
すべての有機溶剤に対して無条件に使用できるわけではありません。

耐薬品性を確認するときには、薬品名だけでなく、
濃度、温度、接触時間を確認することが重要です。

例えば、常温で一時的に薬液が付着するだけなのか、
数年間にわたって連続的に浸漬されるのかでは、求められる耐薬品性が大きく異なります。

また、ユニレートは板材であるため、切削加工によって部品を製作するケースが多くあります。

そのため、表面だけでなく切断面や穴加工部が薬品に接触する場合についても、
使用環境を確認する必要があります。




9、ユニレートを選定する際のポイント

 

ユニレートを選定する際には、
まず「耐薬品性以外に何を求めるのか」を明確にすることが重要です。

例えば、電気絶縁性が必要なのか、高い剛性が必要なのか、低吸水性が重要なのか、
あるいは切削加工性を重視するのかによって、適した材料は変わります。

薬品環境で使用する場合には、具体的な薬品名を確認します。

「酸性」「アルカリ性」という情報だけでは不十分で、例えば塩酸なのか硫酸なのか、
水酸化ナトリウムなのかアンモニア水なのかまで確認することが重要です。

特にNaOHについては、ユニレートの耐薬品性上の重要な注意点となります。

さらに、薬品濃度、温度、接触時間も確認します。

例えば常温の希酸に短時間接触する用途と、高温の濃薬液に連続浸漬する用途では、
同じ薬品でも材料選定の結果が変わる可能性があります。

また、必要な板厚や加工形状も重要です。

ユニレートは板材として供給され、切削加工との相性が良いことも特徴の一つです。

材料特性と加工性の両方を確認したうえで、
用途に適したグレードを選定することが重要です。

 
 

10、まとめ

 

ユニレートは、PETを主原料としてガラス短繊維や無機フィラーなどを複合した板材料で、
高い剛性、電気絶縁性、低吸水性、耐熱性、寸法安定性、加工性などを備えています。

耐薬品性については、弱酸に対して比較的良好な耐性を示し、
有機溶剤についても標準グレードでは良好な評価となっています。
ただ、強酸は注意が必要で、弱アルカリも「△」、水酸化ナトリウムは「×」とされているため、
特に強アルカリ環境では注意が必要です。

一方でユニレートは、高い剛性、低吸水性、電気絶縁性、
寸法安定性、加工性をバランスよく備えていること
が大きな特徴です。

木成ゴム株式会社では、各種樹脂・ゴム材料に関するご相談や、
用途に適した材料のご提案、加工品の製作まで幅広く対応しております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

 



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