1. TOP
  2. メディア名
  3. お役立ち情報
  4. PP樹脂(ポリプロピレン)とは?材質・特徴・使用例を解説

木成ゴム株式会社|樹脂、ゴム、金属、その他あらゆる材質を最適加工

PP樹脂(ポリプロピレン)とは?材質・特徴・使用例を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PP樹脂(ポリプロピレン)とは?材質・特徴・使用例を解説

産業分野において広く使用されている樹脂の一つに、PP樹脂があります。
軽量で加工性が高く、耐薬品性や絶縁性にも優れており、
汎用プラスチックの中でも特に利用範囲が広い素材です。

食品容器から自動車部品、医療用品まで、多岐にわたる分野で採用されており、
「コストパフォーマンスの高い樹脂」として評価されています。

本記事では、PP樹脂の材質や特徴、長所と短所、加工方法、代表的な使用例、
さらには類似素材であるPEとの違いや選び方のポイントまで詳しく解説します。

PP樹脂を導入する際の基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

 






  

1、PP樹脂(ポリプロピレン)とは?

PP樹脂(ポリプロピレン)は、汎用プラスチックの中でも特に軽量で、耐薬品性と絶縁性に優れた樹脂です。
比重が約0.9とプラスチックの中でも軽く、機械的特性とコストのバランスが良いため、
包装材から工業部品まで幅広く使用されています。

特に注目すべきは、その加工性とリサイクル性です。
射出成形やブロー成形、フィルム化にも適しており、
家庭用品から医療・食品分野、自動車用途まで柔軟に対応できます。

食品容器、パッケージ、配管部材、車両の内装部品など、生活や産業を支える場面で活躍する、
非常に汎用性の高い素材です。



2、PPの材質

 

PP樹脂は結晶性熱可塑性樹脂で、主に以下の種類に分類されます。

  • ホモポリマー型:剛性が高く、機械的強度に優れる。工業部品やパイプ類に使用。

  • コポリマー型:耐衝撃性や低温特性に優れ、包装材や自動車部品に多用。

一般的に半透明または白色で供給され、
射出成形・押出成形・ブロー成形など、幅広い加工方法に対応可能です。



3、PPの主な特徴

 

PP樹脂の代表的な特徴をまとめると以下の通りです。

  • 軽量性:比重が0.9と最も軽いプラスチックの一つ

  • 耐薬品性:酸やアルカリ、溶剤に強く、薬品容器やパイプに適用

  • 電気絶縁性:優れた絶縁特性を持ち、電気・電子部品にも使用可能

  • 加工性:射出成形・ブロー成形・フィルム化が容易

  • リサイクル性:再利用がしやすく、環境対応素材としても注目


 

4、PPの長所

 

PP樹脂のメリットは以下の通りです。

  • 非常に軽量で、製品の軽量化に寄与

  • 優れた耐薬品性により、薬品容器や工業部品に安心して使用可能

  • 絶縁特性が高く、電気・電子用途にも最適

  • 成形加工がしやすく、大量生産に向く

  • リサイクル性が高く、環境対応素材として評価

これらの長所により、PPは「コストパフォーマンスに優れた万能プラスチック」として、
多くの分野で普及しています。

 

 

5、PPの短所

 

一方で、PP樹脂には弱点も存在します。

  • 耐熱性が比較的低く、連続使用温度は約100℃前後

  • 紫外線に弱く、屋外での長期使用では劣化しやすい

  • 耐摩耗性や耐衝撃性はエンプラに比べると劣る

  • 接着が難しく、溶着や機械的な固定が必要

これらの短所を理解したうえで、適切な用途に採用することが重要です。


 

6、PPの加工方法

 

PP樹脂は加工しやすく、以下の方法が広く用いられます。

  • 射出成形:家庭用品や工業部品の大量生産に利用

  • ブロー成形:ボトルやタンク、パイプなど中空製品に適応

  • 押出成形:フィルム、シート、パイプなどを連続成形

  • 熱溶着:包装フィルムの接合に使用

加工の自由度が高いため、あらゆる産業分野に適応可能です。


 

7、PPの代表的な使用例

 

PP樹脂は、その特性を活かして以下のような分野で利用されています。

  • 自動車部品:バンパー、内装材、バッテリーケース

  • 包装材・食品容器:フィルム、ボトル、タッパー、ストロー

  • 家庭用品:収納ケース、洗面用品、文房具

  • 医療用品:注射器、試薬容器、医療器具部品

  • 産業資材:パイプ、タンク、建材部品

特に包装分野と自動車分野での利用は拡大を続けており、今後も需要増加が期待されます。




8、PPとPEの違い

 

PP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)は、ともに汎用プラスチックであり、
日常生活から産業用途まで幅広く使用されています。
見た目が似ているため混同されやすいですが、性能や適した用途には明確な違いがあります。

比重
 PPが0.90程度、PEは0.91~0.96程度であり、
 いずれも軽量ですが、PPの方がわずかに軽い傾向があります。

◆耐熱性
 PPが優れており、100℃前後まで使用できるのに対し、
 PEは種類によって異なります。
 低密度ポリエチレン(LDPE)は耐熱性が低く、約80℃程度が限界ですが、
 高密度ポリエチレン(HDPE)は100℃近くまで対応可能です。
 それでも一般的には、PPの方が高温環境に適しています。

◆耐薬品性
 両者ともに高い水準を持っていますが、PEの方が酸やアルカリに対する安定性が強い場合があります。
 そのため、薬品容器やタンクではPEが選ばれることも多いです。

◆剛性と強度
 PPの方が優れており、硬くてしっかりした成形品を得やすいため、機械部品などに適しています。
 一方、PEは柔らかさや衝撃吸収性に優れているため、フィルムやシート、包装材に多用されます。

透明性
 PPは比較的透明に近い成形が可能ですが、
 PEは白濁性が強く透明性が劣ります。
 そのため、食品容器や透明性が求められる製品ではPPが有利です。

まとめると、
 PPは「剛性・耐熱性・透明性」を求める用途
 PEは「柔軟性・耐薬品性・衝撃吸収性」を求める用途 
に使い分けられています。
両者は競合するのではなく、特性を活かして棲み分けている素材といえます。


 

9、PP製品の選び方チェックリスト

 

PP樹脂を選定する際には、以下のポイントを確認すると適切です。

  • 使用環境:屋外か室内か、温度や湿度条件

  • 要求性能:耐薬品性、耐衝撃性、透明性など

  • 加工方法:射出・ブロー・押出成形など対応可能か

  • コスト面:材料費・加工費・量産性を含めた総合判断

  • 他樹脂との比較:PEやABSなど、代替候補と比較して選定


 

10、まとめ

 

PP樹脂(ポリプロピレン)は、軽量・耐薬品性・加工性に優れた汎用プラスチックで、
食品容器から自動車部品まで幅広い分野で利用されています。
また、PEと比較すると、剛性・耐熱性に優れる一方で、柔軟性や衝撃吸収性では劣るなど、
両者の違いを理解して使い分けることが重要です。

木成ゴム株式会社では、
「PP樹脂で部品を製作したい」
「最適な樹脂素材を探している」
「PPとPEのどちらを選ぶべきか迷っている」
といったお客様のニーズに対応できる体制を整えております。

豊富な材料知識と加工実績をもとに、材料選定から試作・量産までトータルでサポートいたします。
まずはぜひお気軽にご相談ください。




  • このエントリーをはてなブックマークに追加