シリコンゴムの耐油性は?他材質との違いも詳しく解説
ゴム部品を選定する際、「耐油性」は使用環境の安定性や、
製品寿命に直結する重要な特性のひとつです。
シリコンゴムは、耐熱性や柔軟性に優れる素材として幅広く採用されていますが、
油が関与する環境においては注意すべき点も存在します。
本記事では、シリコンゴムの耐油性を中心に、考え方や他のゴム材質との違い、
用途上の留意点について、詳しく解説します。
ゴム材料を比較検討する際の基礎知識として、ぜひ参考にしてください。
目次
1、シリコンゴムとはどのような材料か
シリコンゴムは、主骨格にシロキサン結合を持つ合成ゴムで、
一般的な炭素系ゴムとは構造が大きく異なります。
この独特な分子構造により、
非常に広い温度範囲で安定した物性を保ちやすい点が特徴です。
高温下でも硬化しにくく、低温でも柔軟性を失いにくいため、
温度変化の大きい環境や屋外用途、医療・食品関連分野で広く使用されています。
一方で、耐油性に関しては万能ではなく、
用途によっては適否の判断が重要になります。
2、耐油性とは何を指すのか
耐油性とは、油類と接触した際に、
ゴム材料がどの程度その性質を維持できるかを示す概念です。
具体的には、油に触れることで膨潤したり、軟化したり、
機械的強度が低下したりしないかといった点が評価対象になります。
油の種類や温度、接触時間によって影響の度合いは変わるため、
単純に「耐油性がある・ない」で判断できるものではありません。
ゴム材料ごとに、得意とする油の種類や条件が異なる点を理解しておく必要があります。
3、シリコンゴムの耐油性の特徴
シリコンゴムは、耐熱性や耐候性には非常に優れていますが、
耐油性という観点では中程度、もしくは用途限定と評価されることが多い材料です。
特に鉱物油に対しては、油の種類によっては膨潤が生じやすく、
寸法変化や物性低下につながる場合があります。
ただし、すべての油に対して弱いわけではなく、
条件次第では実用上問題なく使用されるケースも存在します。
4、鉱物油に対するシリコンゴムの挙動
一般的な鉱物油にシリコンゴムを接触させると、
油分がゴム内部に浸透しやすく、体積膨潤を起こすことがあります。
この膨潤は、密封用途や寸法精度が求められる用途では問題となる可能性があります。
特に、長時間の接触や高温環境では影響が顕著になりやすく、
結果としてシール性能の低下や部品寿命の短縮につながることもあります。
そのため、鉱物油が常時存在する環境では、慎重な材料選定が求められます。
5、動植物油や合成油との相性
動植物油や一部の合成油に対しては、
鉱物油ほど大きな影響を受けないケースも見られます。
油の分子構造や極性によって、シリコンゴムとの相互作用が異なるためです。
ただし、すべての動植物油や合成油に適しているわけではなく、
使用条件によって結果は大きく変わります。
実際の用途では、油の種類や使用温度を前提とした評価が重要になります。
6、他のゴム材質と耐油性の違い
耐油性を重視する用途では、一般的にニトリルゴムが広く知られています。
ニトリルゴムは鉱物油に対して高い耐性を示し、工業用シールやホースなどで多用されています。
これに対し、シリコンゴムは耐油性よりも耐熱性や柔軟性で選ばれることが多く、
用途の方向性が異なります。
フッ素ゴムのように耐油性と耐熱性を高次元で両立する材料もありますが、
コストや加工性の面で違いが生じます。
7、耐油用途でシリコンゴムが選ばれるケース
耐油性が最優先ではないものの、油が副次的に存在する環境では、
シリコンゴムが採用される場合があります。
例えば、高温環境下で断続的に油が付着するような用途では、
耐熱性を優先してシリコンゴムが選ばれることがあります。
このようなケースでは、油による影響を許容範囲として設計に織り込むことが前提となります。
8、耐油用途で注意すべきシリコンゴムの特性
シリコンゴムは膨潤しやすい傾向があるため、
寸法変化が問題になる用途では注意が必要です。
また、油の吸収によって表面が軟化し、
摩耗しやすくなる可能性も考慮しなければなりません。
これらの特性は、短期使用では顕在化しにくい場合もありますが、
長期的な信頼性を求める用途では無視できない要素となります。
9、使用環境を踏まえた材料選定の考え方
ゴム材料の選定では、「耐油性があるかどうか」だけでなく、
温度条件、機械的負荷、接触時間などを総合的に考えることが重要です。
シリコンゴムは耐油性だけを基準にすると他材質に劣る場合がありますが、
他の特性を含めて評価すると最適解となるケースも少なくありません。
用途全体を俯瞰した判断が求められます。
10、まとめ
シリコンゴムは、耐熱性や柔軟性に優れる一方で、
耐油性に関しては使用条件を選ぶ材料です。
鉱物油との長時間接触には注意が必要ですが、
用途次第では実用上問題なく使用されるケースもあります。
他のゴム材質との特性の違いを理解し、使用環境に合った材料を選定することが重要です。
木成ゴム株式会社では、ゴム材料の特性や使用環境に関する一般的なご相談を承っております。
使用条件やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
用途に応じた材料選定の参考情報をご提供いたします。
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