1. TOP
  2. メディア名
  3. お役立ち情報
  4. フッ素ゴムの耐薬品性は?他材質との違いも詳しく解説

木成ゴム株式会社|樹脂、ゴム、金属、その他あらゆる材質を最適加工

フッ素ゴムの耐薬品性は?他材質との違いも詳しく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
フッ素ゴムの耐薬品性は?他材質との違いも詳しく解説

ゴム部品の材質選定において、「フッ素ゴム」という言葉は、
耐久性や高性能を連想させる存在として認識されていることが多いのではないでしょうか。

実際、フッ素ゴムは耐熱性や耐油性、そして耐薬品性に優れる材質として、
さまざまな産業分野で採用されています。

しかしその一方で、「どの薬品に対して、どの程度まで耐えられるのか」、
「他の材質と何が違うのか」を正確に理解しないまま使用されているケースも少なくありません。

耐薬品性は、ゴム部品の寿命や信頼性を大きく左右する重要な要素です。
薬品との相性を誤ると、膨潤や硬化、ひび割れといった不具合が短期間で発生し、
設備トラブルや交換頻度の増加につながることがあります。
特に、化学薬品や油類を扱う環境では、ゴム材質の選定が製品全体の安定稼働に直結します。

本記事では、フッ素ゴムの耐薬品性について、その基本的な特性から、
他の代表的なゴム材質との違い、実務で意識しておきたい選定の考え方までを具体的に解説します。




 

  

1、フッ素ゴムとはどのようなゴム材質か

フッ素ゴムは、分子構造中にフッ素原子を含む合成ゴムの総称です。
一般的にはFKMとも呼ばれ、高機能ゴムの代表的な存在として知られています。
フッ素原子を含むことで、化学的に非常に安定した構造となり、
他のゴム材質と比べて耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れる点が大きな特徴です。

この安定した分子構造により、高温下や薬品環境でも物性変化が起こりにくく、
長期間にわたって使用できるケースが多く見られます。
そのため、自動車部品、化学プラント、半導体製造装置など、
使用条件が厳しい分野で採用されることが一般的です。

一方で、材料コストは他の汎用ゴムと比較して高くなる傾向があり、
必要以上の性能を求めると過剰品質になる可能性もあります。

用途に見合った性能かどうかを見極めることが重要です。



2、フッ素ゴムの耐薬品性の基本的な考え方


フッ素ゴムの耐薬品性は、ゴム材質の中でも高水準に位置づけられます。
多くの薬品に対して膨潤しにくく、体積変化や硬さ変化が比較的抑えられる点が評価されています。

ただし、耐薬品性は「あるか・ないか」で判断できるものではありません。
薬品の種類、温度、濃度、接触時間といった条件によって、結果は大きく異なります。
フッ素ゴムであっても、条件が厳しくなれば徐々に劣化が進行することは避けられません。

そのため、フッ素ゴムの耐薬品性は「幅広い薬品に対して安定しやすい」、
という相対的な特性として理解することが重要です。


 

3、フッ素ゴムが高い耐性を示す薬品環境

 

フッ素ゴムは、鉱物油、燃料油、潤滑油といった油系物質に対して非常に高い耐性を示します。
この特性から、エンジン周辺部品や油圧機器など、油との接触が多い用途で使用されています。

また、多くの有機溶剤や化学薬品に対しても、比較的安定した性能を維持しやすい傾向があります。
酸性薬品についても、条件が適切であれば長期使用が可能なケースがあります。

これらの特性により、フッ素ゴムは薬品環境が複雑な現場で信頼性の高い選択肢とされています。



4、フッ素ゴムでも注意が必要な薬品環境

 

高い耐薬品性を持つフッ素ゴムであっても、すべての薬品に対して万能ではありません。
特定の強アルカリ性薬品や、一部の化合物では、物性変化や劣化が生じる場合があります。

また、薬品自体には耐性があっても、
高温条件や高濃度条件が重なることで、劣化が進行することもあります。
特に、連続使用や長時間の浸漬条件では、影響が顕在化しやすくなります。

そのため、フッ素ゴムを使用する場合でも、使用条件の整理は欠かせません。

 

 

 

5、天然ゴムとの耐薬品性の違い

 

天然ゴムは、優れた弾性や機械的強度を持つ一方で、耐薬品性という観点では制約があります。
油類や溶剤に対しては膨潤しやすく、薬品環境での長期使用には適さないケースが多く見られます。

これに対してフッ素ゴムは、油や溶剤に対する耐性が高く、
薬品環境下でも物性変化が起こりにくい点が大きな違いです。

そのため、耐薬品性が重視される用途では、天然ゴムよりもフッ素ゴムが選定されることが一般的です。






 

 

6、NBRなど耐油ゴムとの違い

 

NBRは、耐油性に優れたゴム材質として広く使用されています。
一般的な油環境であれば、NBRで十分対応できるケースも少なくありません。

一方で、温度が高い環境や、油以外の薬品が混在する環境では、
フッ素ゴムの方が安定した性能を示す場合があります。

耐熱性や耐薬品性の幅広さという点で、フッ素ゴムが優位となる場面があることが両者の大きな違いです。

 

 

7、EPDMとの耐薬品性の方向性の違い 

 

EPDMは、水系薬品や屋外環境に強いゴム材質として知られています。
水、温水、水蒸気といった環境では、安定した性能を発揮します。

一方で、油類や非極性溶剤には弱い傾向があります。
フッ素ゴムはこの特性とは対照的で、油や溶剤に強い反面、
水蒸気環境では条件によって注意が必要となる場合があります。

このように、両者は耐薬品性の「得意分野」が異なります。

 



8、シリコンゴムと比較した際の特徴

 

シリコンゴムは、耐熱性や低温特性に優れ、広い温度範囲で使用できる点が特徴です。
ただし、耐薬品性については薬品の種類による影響を受けやすく、膨潤が発生する場合もあります。

フッ素ゴムは、耐熱範囲ではシリコンに及ばない場合があるものの、
油や溶剤に対する耐性では優れるケースが多く見られます。

温度条件と薬品条件のどちらを重視するかによって、選定の方向性が変わります。




9、フッ素ゴム選定時に考慮すべき使用条件

 

フッ素ゴムを選定する際には、耐薬品性だけでなく、
使用温度、圧力、機械的負荷、使用期間などを総合的に整理することが重要です。

また、接触する薬品が単一か複数かによっても判断は変わります。

さらに、連続使用か断続使用かといった運用条件も、材質寿命に影響を与えます。
高性能な材質であるがゆえに、必要以上の性能を求めていないかを見直すことも重要です。

 
 

10、まとめ

 

フッ素ゴムは、耐薬品性・耐油性・耐熱性に優れた高機能ゴム材質であり、
厳しい使用環境において高い信頼性を発揮します。
一方で、すべての薬品や条件に対応できるわけではなく、
他のゴム材質との違いを理解したうえでの選定が欠かせません。

木成ゴム株式会社では、ゴム材料の特性や使用環境に関する一般的なご相談を承っております。
使用条件やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
用途に応じた材料選定の参考情報をご提供いたします。



●木成ゴム株式会社は、2026年2月19日(木)・20日(金)に大阪産業創造館で開催される、
「高機能プラスチック・ゴム展2026」に出展いたします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加