ネオプレンゴムの耐薬品性は?他材質との違いも詳しく解説
工業用途におけるゴム材料の選定では、耐摩耗性や耐熱性、耐候性と並んで、
使用環境で接触する薬品への耐性が重要な判断基準となります。
製造装置や配管周辺、各種設備では、潤滑油や洗浄剤などの化学物質が存在し、
ゴムがこれらとどのように反応するかを理解しておくことが、安定した運用につながります。
ネオプレンゴムは、バランスの取れた物性を持つ合成ゴムとして知られ、
さまざまな分野で使用されています。
一方で、その耐薬品性については「万能」というわけではなく、
他のゴム材質との違いを踏まえて評価する必要があります。
本記事では、ネオプレンゴムの耐薬品性に焦点を当て、基本的な特性から注意点、
さらに他材質との違いまでを整理し、材質選定時に役立つ情報を具体的に解説します。
目次
1、ネオプレンゴムとはどのような材料か
ネオプレンゴムは、クロロプレンを原料とする合成ゴムで、
一般にはクロロプレンゴムやCRゴムと同義で扱われることが多い材料です。
耐候性、耐老化性、耐熱性、さらに自己消火性を持つ点が特徴で、
屋外用途や産業用途で長く使用されてきました。
特定の性能に極端に特化するというよりも、
複数の特性を高いレベルでバランスよく備えている点が評価され、
汎用性の高いゴム材料として位置づけられています。
2、ゴム材料における耐薬品性の考え方
耐薬品性とは、ゴムが薬品と接触した際に、膨潤や硬化、軟化、
強度低下といった物性変化をどの程度抑えられるかを示す性質です。
単に溶解しないという意味ではなく、長期使用において性能を維持できるかが重要です。
薬品の種類や濃度、使用温度、接触時間などによって、
同じゴム材質でも挙動は大きく変わります。
そのため、耐薬品性は常に使用条件とセットで考える必要があります。
3、ネオプレンゴムの化学構造と耐薬品性の関係
ネオプレンゴムの分子構造には塩素原子が含まれており、
この構造が耐候性や難燃性の向上に寄与しています。
一方で、この化学構造が耐薬品性の傾向にも影響を与えています。
非極性の物質に対しては比較的安定する一方、
極性の高い薬品や特定の溶剤に対しては影響を受けやすい傾向があります。
このような構造由来の特性を理解することで、
耐薬品性の方向性が把握しやすくなります。
4、ネオプレンゴムが安定しやすい薬品の傾向
ネオプレンゴムは、鉱物油や一般的な潤滑油、グリース類に対して、
条件次第では実用上問題なく使用できるケースがあります。
そのため、油分が存在する環境や、
断続的に油と接触する用途で採用されることがあります。
また、中性付近の水溶液や、濃度の低い弱酸性・弱アルカリ性の薬品に対しても、
比較的安定した挙動を示す場合があります。
これらの特性により、幅広い産業用途で使用されています。
5、ネオプレンゴムが影響を受けやすい薬品環境
一方で、ネオプレンゴムは強酸や強アルカリ、高濃度の薬品環境では、
物性変化が進行しやすくなることがあります。
膨潤や硬化、表面劣化などが発生し、長期使用には適さない場合もあります。
また、芳香族系溶剤や極性溶剤などに対しては、分子構造への影響が大きく、
耐久性の低下が顕著になる傾向があります。
このような条件下では、他のゴム材質を検討する必要があります。
6、使用温度や接触条件が耐薬品性に及ぼす影響
耐薬品性は、薬品の種類だけでなく、使用温度や接触条件によっても大きく左右されます。
温度が高くなるほど化学反応は促進され、
常温では問題のない薬品であっても、劣化が急速に進むことがあります。
また、常時浸漬される場合と、洗浄工程などで短時間接触する場合とでは、
ゴムへの影響は大きく異なります。
実際の使用状況を具体的に想定することが重要です。
7、他のゴム材質と比較したネオプレンゴムの耐薬品性
ネオプレンゴムは、天然ゴムと比べて耐候性や耐老化性に優れていますが、
耐薬品性の幅という点では限定的です。
ニトリルゴムは油類への耐性を重視した材料であり、
フッ素ゴムは多種多様な薬品に対応できる高耐性材料です。
これらと比較すると、ネオプレンゴムは「特定の薬品に強い材料」というより、
「環境耐性と物性のバランスを重視する材料」として位置づけられます。
8、用途別に見たネオプレンゴムの適性
ネオプレンゴムは、防振材、シール材、ホース、カバー部品など、
さまざまな用途で使用されています。
特に、屋外設置機器や温度変化のある環境では、その耐候性が評価されています。
薬品が関与する用途においても、
条件が限定されていれば実用上問題なく使用されるケースがありますが、
常時薬品と接触する用途では慎重な検討が必要です。
9、耐薬品性を踏まえた材質選定時のポイント
材質選定においては、接触する薬品の種類や濃度、
温度、接触時間を整理することが欠かせません。
ネオプレンゴムは汎用性の高い材料ですが、
すべての薬品環境に対応できるわけではありません。
また、同じネオプレンゴムであっても、配合や硬度によって特性が異なるため、
一般的な特性を理解したうえで用途に合った仕様を検討することが重要です。
10、まとめ
ネオプレンゴムは、耐候性や耐老化性、難燃性などに優れ、
一定条件下では耐薬品性も発揮するバランスの取れたゴム材料です。
一方で、薬品の種類や使用条件によっては注意が必要となるため、
他材質との違いを理解したうえでの選定が求められます。
木成ゴム株式会社では、ゴム材料の特性や使用環境に関する一般的なご相談を承っております。
使用条件やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
用途に応じた材料選定の参考情報をご提供いたします。
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