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熱硬化性樹脂の耐熱温度は?熱可塑性との違いも解説

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熱硬化性樹脂の耐熱温度は?熱可塑性との違いも解説

樹脂材料は、金属に比べて軽量で加工性に優れ、様々な製品や設備に使用されています。
そのなかでも、高温環境で使用される部品や、
熱の影響を受けやすい用途では「耐熱温度」が材料選定の重要な判断基準となります。


樹脂は大きく分けて、加熱によって軟化する「熱可塑性樹脂」と、
一度硬化すると再加熱しても軟化しない「熱硬化性樹脂」に分類されます。

特に熱硬化性樹脂は、高温下でも形状や物性を維持しやすい特性を持つことから、
耐熱性が求められる用途で検討されることが多い材料です。


本記事では、熱硬化性樹脂の耐熱温度を中心に、主要な樹脂の耐熱温度の目安、
熱可塑性樹脂との違いについて詳しく解説します。





 

  

1、樹脂材料における耐熱温度の考え方

樹脂の耐熱温度とは、材料が実用上問題なく使用できる温度の目安を示す概念です。
これは単純に溶融する温度を指すものではなく、
形状の安定性や機械的強度、電気特性などを一定レベルで維持できる温度範囲を意味します。


耐熱温度を超えた状態で使用すると、樹脂は軟化や変形、強度低下を起こしやすくなり、
部品としての機能を十分に果たせなくなる可能性があります。

そのため、想定される使用温度に対して余裕を持った材料選定が重要になります。



2、熱硬化性樹脂とはどのような材料か


熱硬化性樹脂は、化学反応によって分子同士が三次元的に結合し硬化する樹脂材料です。
一度硬化すると、再加熱しても溶融や軟化を起こさない点が大きな特徴です。


この網目構造により、高温下でも形状が安定しやすく、
耐熱性や耐薬品性に優れる傾向があります。

そのため、電気・電子部品、機械部品、断熱部材など、
高温環境での使用が想定される用途に採用されることが多い材料です。


 

3、熱可塑性樹脂とはどのような材料か

 

熱可塑性樹脂は、加熱すると軟化し、冷却すると再び固化する性質を持つ樹脂です。
射出成形や押出成形といった加工方法に適しており、量産性に優れています。


一方で、軟化温度を超えると形状保持が難しくなるため、
高温環境での使用には制約があります。

ただし、近年では高耐熱の熱可塑性樹脂も増えており、
用途に応じて使い分けが行われています。



4、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の基本的な違い

 

耐熱性の観点では、一般的に熱硬化性樹脂のほうが高温に耐えやすいとされています。
熱可塑性樹脂は温度上昇により軟化しますが、
熱硬化性樹脂は硬化後に形状が安定し、高温下でも変形しにくい特性を持ちます。


その一方で、熱硬化性樹脂は成形後の再加工が難しいという特性もあり、
加工性やリサイクル性では熱可塑性樹脂が有利な場面もあります。

用途や要求性能に応じた選定が重要です。

 

 

 

5、フェノール樹脂の耐熱温度

 

フェノール樹脂は、代表的な熱硬化性樹脂のひとつで古くから工業用途で使用されています。
耐熱性、耐摩耗性、電気絶縁性に優れる点が特徴です。


一般的に、フェノール樹脂の耐熱温度は150℃から200℃程度が目安とされています。
短時間であればこれ以上の温度に耐えるケースもありますが、
連続使用ではこの範囲が一つの基準となります。


電気部品や機械部品、摩擦材など、
比較的高温になる環境で使用されることが多い材料です。






 

 

6、エポキシ樹脂の耐熱温度

 

エポキシ樹脂は、接着剤やコーティング材、電気・電子部品など、
幅広い用途で使用されている熱硬化性樹脂です。

機械的強度や接着性に優れ、配合によって特性を調整しやすい点が特徴です。


耐熱温度の目安としては、120℃から180℃程度とされることが一般的です。
耐熱性を重視したグレードでは、200℃前後まで対応するものもあります。


電子基板や封止材など、熱と電気特性の両立が求められる用途で多く採用されています。

 

 

7、ポリエステル系樹脂・ビニルエステル樹脂の耐熱温度 

 

不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂は、
繊維強化プラスチックのマトリックス材料として使用されることが多い熱硬化性樹脂です。


耐熱温度は、一般的に80℃から150℃程度が目安とされています。
用途や配合条件によっては、これより高い温度域に対応する場合もありますが、
連続使用では比較的中温域までの使用が想定されます。


軽量性と強度のバランスが求められる構造部材などで使用されることが多い材料です。

 



8、ポリイミド系樹脂など高耐熱・熱硬化性樹脂

 

高温環境での使用を前提とした用途では、ポリイミド系樹脂などの高耐熱熱硬化性樹脂が検討されます。
ポリイミド樹脂は、耐熱温度が250℃から300℃程度とされ、
熱硬化性樹脂の中でも特に高い耐熱性を持つ材料です。

高温下でも機械的強度や電気特性を維持しやすいため、
航空宇宙分野や電子部品などで使用されています。


このような高耐熱樹脂は性能面で優れる一方、コストや加工条件への配慮が必要となります。




9、使用環境を踏まえた耐熱温度の捉え方

 

耐熱温度を検討する際には、単純に「どこまで耐えられるか」だけでなく、
どのような条件で使用されるかを考慮することが重要です。

連続使用か短時間使用か、温度変化の頻度、
他の負荷条件などによって、適切な材料は変わります。


また、耐熱性だけでなく、機械的強度や耐薬品性、
コストとのバランスを含めた総合的な判断が求められます。

 
 

10、まとめ

 

熱硬化性樹脂は、硬化後に形状が安定し、高温下でも性能を維持しやすい材料として、
耐熱用途で重要な位置づけを持っています。
フェノール樹脂やエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂など、
それぞれに適した耐熱温度の目安と用途があります。


熱可塑性樹脂との違いを理解し、使用環境の温度条件を正しく把握したうえで、
材料を選定することが、製品の信頼性向上につながります。

木成ゴム株式会社では、樹脂材料の特性や使用環境に関する一般的なご相談を承っております。
使用条件やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
用途に応じた材料選定の参考情報をご提供いたします。



●木成ゴム株式会社は、2026年2月19日(木)・20日(金)に大阪産業創造館で開催される、
「高機能プラスチック・ゴム展2026」に出展いたします。

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