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ナイロン樹脂の耐熱温度は?他材質との違いも詳しく解説

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ナイロン樹脂の耐熱温度は?他材質との違いも詳しく解説

ナイロン樹脂は、機械部品や自動車部品をはじめ、
さまざまな工業製品に使用されている代表的なエンジニアリングプラスチックです。
優れた機械強度や耐摩耗性、耐疲労性を持ち、
金属代替材料として採用されるケースも少なくありません。

特にギア、ローラー、ブッシュ、ベアリングなどの摺動部品では広く使用されており、
加工性にも優れていることから、多くの製造現場で活用されています。

一方で、材料選定の際には「どの程度の温度まで使用できるのか」
「POMやPET、PPSなどの他の樹脂材料と比較すると耐熱性はどうなのか」、
といった点を理解しておくことが重要です。

また、ナイロン樹脂にはPA6、PA66、MCナイロンなど複数の種類が存在し、
それぞれ耐熱性能や機械特性が異なります。

本記事では、ナイロン樹脂の耐熱温度について、基本的な特徴から具体的な温度目安、
さらに他材質との違いまでを分かりやすく解説します。材料選定時の参考情報としてご活用ください。

 





 

  

1、ナイロン樹脂とはどのような材料か

ナイロン樹脂とは、ポリアミド(PA)と呼ばれる樹脂の総称です。

エンジニアリングプラスチックの代表的な材料の一つであり、
高い機械強度、耐摩耗性、耐衝撃性を持つことが特徴です。

一般的にはPA6やPA66が広く使用されており、
さらに機械加工用途ではMCナイロンも多く採用されています。

ナイロン樹脂は摺動性にも優れているため、ギア、ローラー、
軸受け、ガイドレールなどの可動部品に適しています。

また、金属と比較して軽量でありながら十分な強度を持つことから、
軽量化が求められる機械部品でも採用されています。

一方で、吸水性を持つ材料であるため、使用環境によって寸法変化が発生する場合があります。
この点は他の樹脂と比較する際の重要なポイントとなります。



2、樹脂における耐熱温度の考え方


樹脂の耐熱温度とは、単純に「溶ける温度」を意味するものではありません。

一般的には、長期間使用できる「連続使用温度」、短時間だけ耐えられる「短時間耐熱温度」、
荷重が加わった状態で変形が始まる「熱変形温度」などを基準に評価されます。

例えば、ナイロン樹脂の融点は220℃前後から260℃前後ありますが、
実際に長期間使用できる温度はそれより低くなります。

これは高温環境下で徐々に強度低下やクリープ変形が発生するためです。

また、吸水によって物性が変化する特徴を持つため、
温度だけでなく湿度条件も重要な判断要素になります。

実際の材料選定では、耐熱温度だけでなく、荷重条件や使用期間、
湿度環境なども考慮する必要があります。


 

3、ナイロン樹脂の耐熱温度の目安

 

ナイロン樹脂の連続使用温度は、一般的に80℃~120℃程度とされています。

PA6ではおおよそ80℃~100℃程度、PA66では100℃~120℃程度が目安となります。

短時間であれば150℃~180℃程度の環境に耐える場合もあります。

ナイロン樹脂の融点は、PA6で約220℃、PA66で約255℃~265℃程度とされています。

ただし、高温環境では吸水の影響も加わり、
機械強度や寸法安定性が低下する場合があります。

そのため、長期間高温で使用する用途では、単純な耐熱温度だけでなく、
実際の使用環境を考慮した材料選定が重要です。



4、ナイロン樹脂の特徴と耐熱性以外のメリット

 

ナイロン樹脂は、耐熱性だけでなく、さまざまな優れた特性を持っています。

まず大きな特徴として挙げられるのが、高い機械強度です。
引張強さや耐衝撃性に優れており、機械部品として十分な強度を発揮します。

また、耐摩耗性にも優れているため、ギアやローラーなどの摺動部品で広く使用されています。

さらに、自己潤滑性を持つため、金属同士の接触で発生するような摩耗を低減できる場合があります。

加えて、切削加工がしやすく、機械加工による部品製作にも適しています。

 

 

5、ナイロン樹脂とPOM樹脂の耐熱温度の違い

 

POM樹脂(ポリアセタール)は、ナイロン樹脂と並んで機械部品用途で広く使用されています。

一般的な連続使用温度は90℃~120℃程度であり、ナイロン樹脂と近い耐熱性能を持っています。

ただし、POM樹脂は吸水率が低く、寸法安定性に優れている点が特徴です。

一方、ナイロン樹脂は耐摩耗性や耐衝撃性に優れており、
より過酷な機械用途で採用されるケースがあります。

また、ナイロン樹脂の方が摺動特性に優れる場合もあります。

そのため、寸法精度を重視する場合はPOM樹脂、
耐摩耗性や耐衝撃性を重視する場合はナイロン樹脂が選定されることがあります。






 

 

6、ナイロン樹脂とPET樹脂の耐熱温度の違い

 

PET樹脂の連続使用温度は100℃~130℃程度とされており、
ナイロン樹脂と同等またはやや高い温度域で使用できる場合があります。

また、PET樹脂は吸水率が低く、寸法安定性に優れている特徴があります。

一方、ナイロン樹脂は耐衝撃性や耐摩耗性に優れており、
摺動部品用途では優位性があります。

さらに、ナイロン樹脂は機械的な荷重が繰り返しかかる用途にも適しています。

そのため、寸法安定性を重視する場合はPET樹脂、
耐摩耗性や耐衝撃性を重視する場合はナイロン樹脂が選ばれることがあります。



 

7、ナイロン樹脂とPP樹脂の耐熱温度の違い 

 

PP樹脂の連続使用温度は100℃~120℃程度であり、
ナイロン樹脂と近い温度域に対応可能です。

ただし、機械強度や耐摩耗性ではナイロン樹脂の方が優れています。

一方で、PP樹脂は耐薬品性に優れており、酸やアルカリ環境で使用されるケースが多くあります。

また、PP樹脂は吸水率が非常に低く、水回り設備などにも適しています。

そのため、機械部品用途ではナイロン樹脂、
薬液設備用途ではPP樹脂が採用されるケースが多く見られます。

 



8、ナイロン樹脂とPPS樹脂の耐熱温度の違い

 

PPS樹脂はスーパーエンプラに分類される高耐熱材料です。

一般的な連続使用温度は180℃~200℃程度であり、
ナイロン樹脂より大幅に高い温度域で使用可能です。

また、PPS樹脂は寸法安定性や耐薬品性にも優れています。

一方、ナイロン樹脂は耐衝撃性や耐摩耗性に優れており、コスト面でも有利な場合があります。

そのため、100℃前後までの機械部品用途ではナイロン樹脂、
高温環境ではPPS樹脂が選定されるケースがあります。




9、ナイロン樹脂が使用される温度環境の具体例

 

ナイロン樹脂は、さまざまな温度環境で使用されています。

産業機械のギアやローラーでは、40℃~100℃程度の環境で使用されるケースがあります。

自動車部品では、80℃~120℃程度の温度環境で採用される場合があります。

搬送設備のガイドレールや摺動部品では、
常温から100℃前後までの環境で使用されることがあります。

このように、ナイロン樹脂は優れた機械特性を活かし、
多くの産業分野で活用されています。

 
 

10、まとめ

 

ナイロン樹脂は、高い機械強度、耐摩耗性、耐衝撃性を備えた代表的なエンプラです。

一般的な連続使用温度は80℃~120℃程度であり、多くの機械部品用途に対応できます。

また、POM樹脂やPET樹脂と比較すると耐摩耗性や耐衝撃性に優れ、
PP樹脂と比較すると機械強度に優れる特徴があります。

木成ゴム株式会社では、樹脂材料の特性や使用環境に関する一般的なご相談を承っております。
使用条件やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
用途に応じた材料選定の参考情報をご提供いたします。


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