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イソプレンゴム(IR)とは?特徴や使用例を詳しく解説

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イソプレンゴム(IR)とは?特徴や使用例を詳しく解説

産業分野において幅広く利用されているゴム素材の一つに、イソプレンゴム(IR)があります。
天然ゴム(NR)に非常に近い性質を持ちながら、合成によって安定した品質が確保できるため、
自動車、産業機械、建築資材など幅広い分野で欠かせない素材です。

本記事では、イソプレンゴムの基本特性からシート・押出品・パッキンといった製品形態、
規格や認証との関係、導入事例まで詳しく解説します。



 

  

1、イソプレンゴムとは?

イソプレンゴム(Isoprene Rubber)は、イソプレンを重合して作られる合成ゴムです。
天然ゴム(NR)と同じ構造を持ち、物性も非常に似ていますが、
合成法により安定した品質・純度を確保できる点で優れています。

呼び方の整理:

  • イソプレンゴム:日本語表記

  • IRゴム:Isoprene Rubber の略称

特に「引張強度」「耐摩耗性」「弾性」に優れるので、タイヤ、ホース、などに採用されています。



2、イソプレンゴムの主な特徴

  • 高い弾性・柔軟性:天然ゴム同様に優れた伸縮性を持つ

  • 耐摩耗性:繰り返しの摩擦や動きに強い

  • 引張強度が高い:強度が必要な機械部品に適用可能

  • 耐寒性:低温でも柔軟性を保つ

  • 加工性の良さ:シート、押出品、パッキンなど多様な成形に対応



3、イソプレンゴムと比較されるゴムについて

 

イソプレンゴムは天然ゴムに近いため、以下のような比較が行われます。

天然ゴム(NR)との比較

  • 共通点:高弾性・高強度・耐摩耗性に優れる

  • 違い:

    • 天然ゴム:コストが比較的安価だが、品質がロットごとに変動することもある

    • イソプレンゴム:合成によって品質が安定し、不純物が少ない

  • 使い分け:

    • コスト重視 → 天然ゴム

    • 品質安定性や均一性重視 → イソプレンゴム


ブタジエンゴム(BR)との比較

  • 共通点:弾性や耐摩耗性が高い

  • 違い:

    • イソプレンゴムは天然ゴムに近いバランス型性能

    • BRは低発熱性や耐摩耗性に特化

  • 使い分け:

    • 強度・弾性が必要な用途 → イソプレンゴム

    • 摩耗・低発熱性が重視されるタイヤ用途 → BR



4、イソプレンゴムの代表的な使用例


自動車分野

  • タイヤ(トレッド、サイドウォール)

  • 防振ゴム

  • ホース類

建築分野

  • 防振材

  • 緩衝材

  • シーリング部材

産業機械

  • コンベヤベルト

  • パッキン・Oリング

  • ゴムライニング

一般工業用

  • ゴム靴底

  • スポーツ用品

  • 防音・防振材

 

5、イソプレンゴムシートについて

 

イソプレンゴムをシート状に加工した製品は、弾性と耐摩耗性を活かし、
機械や建築用途で利用されています。

用途例

  • 防振材・緩衝材

  • ゴムライニングシート

  • 機械用ガスケット

規格例(あくまで一例です):

  • 厚み:0.5mm~50mm

  • 硬度:40~70(JIS A硬度)

  • 色:黒が主流、カスタム対応可能



6、イソプレンゴム押出品について

 

押出成形でチューブや異形材に加工したイソプレンゴム製品です。

用途例

  • 自動車用ホース

  • 産業機械用チューブ

  • 建築防振部材

断面形状例

  • 丸型(チューブ、ロッド)

  • 角型

  • U字型、P字型など特殊形状

特徴

  • 高い伸縮性と柔軟性

  • 長尺品の供給が容易

  • 幅広い工業用途に対応


 

7、イソプレンゴムパッキンについて

 

イソプレンゴム製パッキンは、防振性・弾性・耐摩耗性を重視する用途に最適です。

用途例

  • 自動車部品の防振パッキン

  • 建築用シーリングパッキン

  • 機械部品の緩衝用シール

特徴

  • 高い柔軟性で密着性が良い

  • 摩耗や衝撃に強い

  • 打ち抜き加工・押出加工で多様な形状に対応可能




8、イソプレンゴム導入のメリット

 

イソプレンゴムを採用することには、以下のような明確なメリットがあります。

  • 安定した品質:合成ゴムのためロット差が少ない

  • 天然ゴム並みの物性:弾性・強度・耐摩耗性に優れる

  • 幅広い用途対応:シート、押出品、パッキンなど多彩な形状に加工可能

  • 信頼性の高い材料:長期使用でも安定した性能を発揮



 

9、ゴム硬度の基礎知識(イソプレンゴム編)

 

イソプレンゴム製品を選定する際の重要な指標の一つが「硬度」です。

JIS規格に基づく硬度選定

  • JIS K 6253 に基づき測定

  • JIS A硬度が一般的

  • 単位は「度(Hs)」


イソプレンゴムの硬度範囲

  • 約40~70°の範囲で流通

  • 柔らかめ(40~50°):防振材、シール材

  • 中硬度(60~70°):工業部品、ベルト材


測定方法

  • デュロメータA型を用いて測定

  • ショアA硬度としても表記される



10、イソプレンゴム製品の選び方チェックリスト


イソプレンゴムを導入する際は、以下を確認すること重要です。

✅ 使用環境(屋内/屋外)
✅ 必要な強度・弾性・摩耗性
✅ 薬品や油との接触の有無
✅ 必要な硬度・強度
✅ 製品形状(シート、押出品、パッキンなど)
✅ 規格適合(RoHS、UL、FDA など)
✅ コストと性能のバランス


 

11、まとめ

 

イソプレンゴム(IRゴム)は、
天然ゴムに近い物性を持ちながら、安定した品質を実現できる合成ゴムです。

弾性・耐摩耗性・強度に優れ、自動車・建築・工業分野など幅広い分野で利用されています。

シート・押出品・パッキンといった多様な形状に対応できるため、
強度や弾性を求められる現場で欠かせない素材といえます。


木成ゴム株式会社では、イソプレンゴムシート・押出品・パッキンなど多様な製品を取り扱っております。

用途や条件に合わせて最適な材料をご提案し、試作から量産まで一貫してサポート可能です。

「天然ゴムに近い性能で、品質の安定した材料を探している」
「強度と弾性に優れるゴムを採用したい」など、
どんなご相談でもお気軽にお問い合わせください。



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