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シリコンゴムの耐候性は?他材質の違いも詳しく解説

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シリコンゴムの耐候性は?他材質の違いも詳しく解説

屋外や過酷な環境下で使用される製品において、「どのゴム材質を採用すべきか」は重要なポイントです。
特に紫外線や雨風、温度変化などの影響を強く受ける環境では、耐候性に優れた材質を選ぶことで、
製品寿命の向上やメンテナンスコスト削減につながります。

数あるゴム材質の中でも、シリコンゴムは耐候性に優れた材質として広く認識されており、
自動車・電装・食品機器・医療機器など幅広い分野で採用されています。
一方で、他のゴムに比べてコスト面や機械的強度に課題があるなど、適材適所での選定が求められます。

本記事では、シリコンゴムの耐候性を中心に、その特徴や注意点、
他材質との違いについてわかりやすく解説します。




 

  

1、シリコンゴムとは?

シリコンゴムは、シロキサン結合(Si-O)を主骨格とした合成ゴムで、
一般的な炭素結合を主とするゴムとは異なる化学構造を持ちます。
この特徴により、高温・低温・紫外線などの外的環境ストレスに強いという優れた特性を発揮します。

特性の例としては下記のようなものが挙げられます。

  • 優れた耐熱性(約200℃前後まで使用可能※グレードにより異なる)

  • 低温環境でも柔軟性を保持(約-50℃程度)

  • 電気絶縁性に優れる

  • 化学的安定性が高い

  • 無臭・無害で食品・医療分野でも使用可能

これらの要因から、屋外部品や安全衛生が求められる機器に採用される場面が多くなっています。



2、シリコンゴムの耐候性の特徴


耐候性とは、紫外線・雨・風・温湿度変化など屋外環境に晒された際の性能維持性を指します。

シリコンゴムは、

  • 紫外線による分解が起こりにくい

  • オゾン劣化が非常に少ない

  • 風雨や塩害にも強い

  • 長期間屋外使用しても硬化・ひび割れが起こりにくい

という特性があり、屋外用途における信頼性が高い材質です。


 

3、紫外線に対する耐性

 

紫外線は多くのゴムを劣化させる代表的な要因です。
天然ゴムやNBR(ニトリルゴム)は紫外線に弱く、
屋外放置で短期間で硬化・ひび割れが発生する可能性があります。

一方シリコンゴムは、

  • 紫外線吸収による化学分解が起こりにくい

  • 長期暴露しても外観・弾性の劣化が小さい

という特性があり、太陽光下での長期使用が可能です。

そのため、屋外パッキンや照明機器部品など、紫外線を避けられない用途に適しています。



4、温度変化・熱への強さ

 

気温差が大きい環境では、ゴムの劣化が早まることがあります。

シリコンゴムは、

  • 高温耐性:約150〜200℃程度

  • 低温柔軟性:-50℃付近まで確保

と非常に広い温度範囲で使用できることが特徴です。

寒冷地〜高温下まで安定した性能を示すため、
自動車エンジン周りや食品機器など幅広い場面で採用されています。

 

 

5、水・湿気・オゾン環境への耐性

 

大気中のオゾンは分子鎖を破壊しゴムを劣化させる原因ですが、シリコンゴムはオゾンに対して高い耐性を持ちます。

さらに、

  • 防水性が高く水分環境でも性質変化が少ない

  • 湿気や海岸地域でも比較的長寿命

といった特徴があります。

雨水や結露が発生する環境に適した材質といえます。

 

 

6、シリコンゴムと他ゴム材料の違い

 

その他の代表的なゴムと比較した際の特徴をポイントとしてまとめると、

  • EPDM(耐候性に強いが耐熱性はシリコンより低め)

  • CR(耐候性は良いが高温環境には劣る)

  • NBR(耐候性に弱いが耐油性は優れる)

  • フッ素ゴム(耐候性・耐熱性とも高いが高価)

シリコンゴムは耐候性×耐熱性×安全性のバランスが良いことが強みですが、
機械的強度は一部材質より劣る場合があります。

 

 

7、シリコンゴムが使用される主な用途

 

屋外・高温・衛生性が求められる多様な分野で採用されています。

  • 屋外用パッキン、シール材

  • 照明器具・防水接続部

  • 自動車の耐熱ホースやガスケット

  • 医療機器・衛生部品

  • 食品機器のパッキン類

  • 電気絶縁材料

特に屋外耐久性と安全性を両立したい場合の選択肢として有効な材質です。

 



8、使用時の注意点・制約事項

 

シリコンゴムは万能ではなく、以下の点に注意が必要です。

  • 耐油性・耐溶剤性は他材質に劣る

  • 引裂強度・摩耗性が低いため用途によっては破損しやすい

  • 材料コストが比較的高い

  • 耐酸性は条件により変化し注意が必要

そのため、耐候性だけで選定するのではなく他の使用環境も総合的に判断する必要があります





9、材料選定時にチェックしたいポイント

 

材質選定を行う際は、以下の条件整理が重要です。

  • 紫外線暴露の有無・時間

  • 最高/最低使用温度と温度サイクル条件

  • 油・薬品など接触物質の種類

  • 要求される機械的強度(引張・引裂など)

  • コスト要件と歩留まり

使用環境によっては、シリコンゴムより他材質が適するケースもあります。
信頼できる加工メーカーと相談しながら、最適な材質選定を行うことが望ましいです。

 
 

10、まとめ

 

木成ゴム株式会社では、多種多様なゴム材質を取り扱い、
用途に応じた最適な材料選定や加工方法の提案を行っています。
シリコンゴムのパッキン・シール材・工業部品など小ロットから量産まで幅広く対応が可能です。

「屋外使用で長寿命の材質を検討している」
「耐候性・耐熱性のバランスが良い部品を探している」
「安全性が求められる製品に採用したい」

そのようなご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
お客様の用途・条件に最適なゴム材質をご提案いたします。 

 




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