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ウレタンゴムの耐摩耗性は?他材質との違いも解説

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ウレタンゴムの耐摩耗性は?他材質との違いも解説

ウレタンゴムは、数ある工業用ゴム材料の中でも特に耐摩耗性に優れた素材として知られています。
摺動部品や衝撃が加わる機構部品に広く使用され、自動車、産業機械、
搬送設備、OA機器など、さまざまな分野で欠かせない存在です。


しかしながら、耐摩耗性と一口に言っても、その特性は材質・硬度・使用条件により変化するため、
用途に応じた適切な選定が重要になります。

本記事では、ウレタンゴムの耐摩耗性の特徴を中心に、
他素材との違い、向いている用途、選定時の注意点まで詳しく解説します。

メーカーの調達担当者・購買担当者の方が、部品選びを進める上での参考にしていただければ幸いです。




 

  

1、ウレタンゴムとは

ウレタンゴムは、ポリウレタン樹脂をベースにした弾性体の総称で、合成ゴムの一種に分類されます。
弾性、強度、耐摩耗性、耐油性、耐薬品性、耐候性など多くの性能を持ち、
耐久性の高い材料として産業用途で幅広く採用されています。


硬さの幅が大きく、スポンジ状のものから金属のような硬質品まで製造できる点も強みです。





2、耐摩耗性とはどういう特性か


耐摩耗性とは、部品が接触・摩擦・衝突を受ける際に、
表面の減りや損傷がどれだけ起こりにくいかを示す特性です。

摩擦が大きい部材や繰返し荷重が加わる箇所では摩耗が進行し、部品寿命に影響します。


耐摩耗性が高いほど、部品交換頻度を抑制し、安定した稼働を維持することができます。


 

3、ウレタンゴムの耐摩耗性の特徴

 

ウレタンゴムが評価されるポイントは以下にあります:

・摩擦に対して表層が削れにくい
・繰返し応力に対して高い耐久性
・引張強さ、引裂強度が高く、損傷が局所に広がりにくい
・衝撃吸収と強度のバランスが良い

そのため一般的に、硬い金属や樹脂と摺動する環境でも、
長寿命の部品として機能しやすいと言われています。



4、他の主要ゴム材質との違い(耐摩耗性視点)

ウレタンゴムは、天然ゴム・ニトリルゴム・クロロプレンゴムなどの一般的な工業用ゴムの中でも、
耐摩耗性が高い水準にあります。


一般的な傾向としては以下が挙げられます:

・天然ゴムも耐摩耗性は良いが、オイル環境や熱に弱い
・ニトリルゴムは耐油性に優れるが、摩耗には用途差あり
・クロロプレンゴムはバランス型だが突出性は少ない

このように、耐摩耗性の観点で見ると、ウレタンゴムは最有力候補となるケースが多い素材です。

 

 

5、ウレタンゴムの種類と摩耗特性の違い

 

ウレタンゴムは化学構造の違いにより、大きく2種類に分かれます:

・ポリエーテル系ウレタン
 水に強く、耐加水分解性が高い
・ポリエステル系ウレタン
 耐摩耗性・機械強度に優れる傾向

また、硬度が高いほど表層が削れにくい傾向はありますが、
衝撃緩和性とのバランスが求められるため、硬度選択は用途により最適解が異なります。



 

 

6、使用環境と摩耗の関係

 

どんなに耐摩耗性の高い素材でも、条件によって摩耗は進行します。
摩耗を生み出す要因として、一般的に以下が挙げられます:

・摩擦相手材の硬さや表面粗さ
・荷重の大きさや振動
・滑り速度や回転速度
・温度や湿度などの環境条件
・ゴミ・粉体の噛み込み

したがって、使用環境を正しく把握したうえで材質選定することが重要です。

 

 

7、ウレタンゴムが向いている用途例

 

耐摩耗性が求められる場所で幅広く使われています:

・産業機械のローラー、ホイール
・搬送装置のローリング部品
・シュート部のライニング材
・OA機器のローラー
・防振材や緩衝材
・ガスケットやパッキン

高荷重・高摩擦・繰返し荷重が課される部位では、ウレタンゴムが選ばれることは多いです。

 



8、ウレタンゴム選定の際のチェックポイント

 

ウレタンゴムの使用を検討している際に押さえたいポイントとして:

・必要な硬度範囲
・摩擦相手材・環境条件
・薬品・油・水分などの接触有無
・耐熱・耐候性の要求レベル
・寸法公差や経年変化の許容範囲

要求仕様を整理し、過剰品質を避けつつ、適切なランクの材料を選ぶことでコスト最適化につながります。




9、調達・購買担当者が押さえたい注意点

 

ウレタンゴムは配合設計の幅が広く、同じ「ウレタンゴム」であっても物性は大きく変わる場合があります。
特に注意すべき点は以下です:

・メーカーごとの仕様差が大きい
・硬度と摩耗耐久の最適バランスが用途ごとに違う
・形状や製法の違いで摩耗挙動が変わる

最適な仕様を見極めるためには、試作評価を通じた確認が推奨される場面も多いと言えます。

 
 

10、まとめ

 

木成ゴム株式会社では、一般用途向けのウレタンゴム製品の加工に幅広く対応しています。
摩耗が課題となる産業機器部品や搬送装置部品など、ユーザー様の要求仕様に合わせたご提案が可能です。


また、調達・購買担当者の方が検討しやすいよう、材質情報や用途に関するサポートも行っています。
ウレタンゴムの採用を検討されている際には、ぜひお気軽にご相談ください。

 




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